トクチョンカガン?
『徳川家康 トクチョンカガン 上・下』 荒山徹 実業之日本社 ¥1,575
NHK大河ドラマ・天地人もいよいよ終盤にさしかかり、(松方)家康の天下も間近となった。
さてその家康公。狡猾さと深謀と辛抱により、長い戦国の世を治めるに至ったが、その出自に関しては諸説ある。清和源氏の流れを汲む、世良田二郎三郎親氏が祖という説が有力だが、朝廷から征夷大将軍職を拝命するための偽称だという説もある。
そんなお方故、こんな話も有りかもしれない。
秀吉の朝鮮出兵の折、藤堂高虎の手により僧兵・元信(ウォンシン)が極秘裏に日本へ連行された。元信とは偶然にも家康の元服時の名であり、それどころか姿形まで瓜二つだった。必然的に影武者に仕立て上げられた彼に、大きな転機が訪れた。関ケ原の合戦の朝、突然死してしまう家康に代わり戦を差配した影武者・元信は、この日から徳川家康(トクチョンカガン)となる。
朝鮮人忍者と真田十勇士、柳生但馬守らを巻き込んで、事態は「大坂裏(ウラ)の陣」へ!元信を突き動かすのは故郷朝鮮を荒らされた「叛」の心のみ。豊臣を根絶した本当の理由がここに明かされる。 (加)

